住宅ローン審査は、転職したばかりでも通るのか?

転職してすぐの人でも住宅ローン審査に通るのか、相談を受けることがよくあります。銀行の審査項目には「勤続年数」があるので、転職したばかりだとその条件を満たさず、落ちてしまうことも多いです。銀行によっては「3カ月」の勤務実績があれば大丈夫、フラット35のように「1カ月」でも大丈夫というところもあります。勤続期間が短くてもよい銀行を中心に考えるようにしましょう。

転職してすぐでも住宅ローン審査に通るのか?

住宅ローンの審査では「勤続年数」がチェックされます。以前は「3年」の勤続年数が必要というところが多かったですが、近年は「1年」の勤続年数があればOK、というところが多くなっています。勤続1年未満でも、たとえばイオン銀行のように6カ月で大丈夫なところや、みずほ銀行のように3カ月でも大丈夫な銀行もあります。勤続年数の基準を具体的に設けず、総合的に判断するというような銀行(千葉銀行等)もあります。昔に比べるとだいぶ柔軟に考えるようになっています。

勤続年数が最も短くてよい住宅ローンはフラット35。給与所得者であれば1カ月分の給与明細(と会社が記入した給与証明書)の提出があれば審査対象となります。転職直後に住宅ローンを組むならフラット35を候補にするとよいでしょう。





※給与証明書:金融機関が用意する書類でそれを会社(総務部等)に提出、支給した給与を会社に記入してもらう。

勤続年数が短い場合、審査年収に注意

勤続年数が短い人でも住宅ローンは組みやすくなってきていますが、審査における年収には注意が必要です。通常、給与所得者の場合、直近の源泉徴収票の提出を行い、そこに記載されている額面金額が審査上の収入とみなされます。しかし転職した場合、旧会社の源泉徴収票に記載された給与は年収としては参考になりません。新しい会社で実際にもらった給与がいくらなのが大事になります。

たとえばフラット35では1カ月の勤務実績があれば、審査を受けることができますが、その際の年収は、前年の源泉徴収票記載の数値ではなく、「転職後の会社で実際に支給された月額給与の平均を取り、12をかけたもの」を年収とみなします。

たとえば、最初の月の給与が20万円、翌月が22万円だとすれば、平均21万円。21万円×12カ月=252万円を年収とみなすということです。会社員の場合、通常はボーナスをもらうケースが多いはずで、ボーナスも含めればこの人の実際の年収も252万円よりも高くなるはず。しかし、フラット35の審査では既に支払われた実際の金額のみを基に計算するのでボーナス月が来るまでは審査上の年収は低く計算されてしまうことになります。 このように、フラット35は転職直後でも審査可能ですが、その年収は実態よりも低く見られて、借入可能がローン金額も小さくなってしまう点には注意が必要です。

転職した人のフラット35の年収計算例
転職した人のフラット35の年収計算例

転職直後の人には、フラット35のメリットが大きい

転職直後の人は、年収が低く見られてしまうのではデメリットですが、フラット35はそもそも年収に比べて借入可能な金額が一般的な銀行よりも多くなるというメリットがあります。

先に説明した「1カ月分の給与明細があれば審査可能」というメリットと合わせるとフラット35は転職を考えている人にとって利用価値は高いといえるでしょう。





審査に通った後、転職したらばれる?

なお、注文住宅を建てる場合や新築マンションを購入する場合、住宅ローン審査に通過してから、実際に融資を受けるまで時間が開くことが多いです。審査通過後、融資実行までの間に転職すると、融資は取り消し(再審査が必要)になります。審査の前提としていた年収に根拠がなくなってしまうからです。

転職したことを言わなければバレないのではないか、と思う人もいるかもしれませんが、必ずバレます。というのも、住宅ローンの融資を実行する際(=住宅の購入代金を支払う際)、司法書士が本人確認書類として、健康保険証を確認し、コピーを取ります。住宅ローンの審査の際に銀行提出済みの健康保険証と違えばそこで転職していることが分かります。

勤続年数を考えれば転職前の方が審査は有利に進むのは確かですが、上で見たように、今では勤続年数が短くても対応してくれる金融機関は増えています。住宅ローンを組むなら転職後の方が安全です。

まとめ:住宅ローン審査は、転職したばかりでも通る

転職したばかりの人でも住宅ローンは組みやすくなってきています。特にフラット35は転職して1カ月でも審査対象と便利です。ただし審査上の年収は、転職後に実際に支払われた給与を基に計算されるため、ボーナス等の関係で年収が低く審査される場合もあります。フラット35は元々年収に比べて借入可能額が高いメリットがあるのでうまく活用したいところ。なお、審査通過後に転職すると融資が取り消し(再審査が必要)となるので避けるようにしましょう。

©住宅ローン相談専門のFP事務所 アルトゥルFP事務所 井上光章 アルトゥルFP事務所バナー