中古住宅の購入とリフォームに使えるフラット35リノベ
中古住宅を購入してリフォームを行う場合、中古住宅購入金額とリフォーム金額を合わせてフラット35で借りることができます。2016年10月より「フラット35リノベ」という商品が新しく出て、金利の引下げを受けることができます。今のところ2017年3月末までの期間限定の住宅購入優遇制度ですが、中古住宅購入を考えている人はぜひ使いたい制度です。
フラット35リノベとは
「フラット35リノベ」は、中古住宅を購入して「性能向上リフォーム」を行う場合、一定期間金利を引下げる制度のことを言います。「購入した中古住宅に性能向上リフォームを行う場合」でも「性能向上リフォームをしてある中古住宅を購入する場合」でもどちらでも使えます。
金利引下げ幅と引下げ期間は下表のようになり、Aプランが使えると当初10年間、0.6%引き下げることができます。
金利引下げ期間 | 金利引下げ幅 | |
フラット35リノベ Aプラン | 当初10年間 | 年▲0.6% |
フラット35リノベ Bプラン | 当初5年間 |
フラット35リノベでお得になる金額
2016年12月のフラット35の金利(最低金利)は1.1%。もしフラット35リノベAプランを使う場合、当初10年間の金利は0.5%ということになります。3,000万円、35年返済という条件でフラット35を借りる場合、下表に示した通りフラット35リノベAプランを使えれば総返済額で200万円近く得になることがわかります。
通常のフラット35 | フラット35リノベ Aプラン | ||
金利 | 1.1%(2016年12月) | 当初10年 0.5% | 11年目以降 1.1% |
毎月返済額 | 86,091円 | 77,875円 | 83,748円 |
総返済額 | 3,616万円 | 3,447万円 |
フラット35リノベの借入条件は?
フラット35リノベを利用するには、次の2つの要件を満たす必要があります。
- 技術基準を満たす「性能向上リフォーム」を行うこと
- 中古住宅の維持保全に係る措置を行うこと
1)の技術基準を満たす「性能向上リフォーム」というのは以下のようになります。
【フラット35リノベAプランを利用するための条件】
次の1~6の基準に適合させる性能向上リフォームを行うこと(リフォーム工事前に適合している基準はダメ)。
省エネ性 | (1)認定低炭素住宅
(2)一次エネルギー消費量等級5 (3)性能向上計画認定住宅 |
耐震性 | (4)耐震等級3 |
バリアフリー性 | (5)高齢者等配慮対策等級4以上 |
耐久性・可変性 | (6)長期優良住宅 |
【フラット35リノベBプランを利用するための条件】
次の1~5の基準に適合させる性能向上リフォームを行うこと(リフォーム工事前に適合している基準はダメ)。
省エネ性 | (1)断熱性能等級4
(2)一次エネルギー消費量等級4以上 |
耐震性 | (3)耐震等級2以上 |
バリアフリー性 | (4)高齢者等配慮対策等級3以上 |
耐久性・可変性 | (5)劣化対策等級3かつ、維持管理対策等級2以上 |
※フラット35のWEBサイトを参考に作成
2)の中古住宅の維持保全に係る措置というのは、以下4つのいずれかの措置を言います。
- インスペクションの実施
- 瑕疵保険に入ること
- 住宅履歴情報の保存
- 維持保全計画の作成
中古住宅+リフォーム にフラット35を使う場合
中古住宅の購入+リフォームを行う際、フラット35を使う時の選択肢は3つあります。
- フラット35(リフォーム一体型)を使う
- フラット35Sを使う
- フラット35リノベを使う
の3つです。省エネや耐震性等の向上以外のリフォームをする場合はフラット35(リフォーム一体型)を利用できます。ただし通常は金利の引下げはありません。
購入する中古住宅自体、もしくはその後にリフォームをした住宅が、一定の基準を満たした住宅であれば「フラット35S」が使えます。フラット35Sはご存知の方も多いと思いますが、Aプランが使えれば10年間金利を0.3%引下げられ、Bプランの場合には5年間金利が0.3%引下げられる、というものです(2017年3月末までの予定)。
フラット35SのAプランの基準は、フラット35リノベの「技術基準」とほぼ同じと考えてよいでしょう。つまりこのフラット35SのAプラン基準を満たせば、フラット35リノベの「中古住宅の維持保全に係る4つの措置のいずれか」を行うだけで、金利が0.3%引下げではなく0.6%引下げになる可能性があるので、今ならフラット35リノベを使った方が賢いかもしれません。
フラット35SのBプランの基準もフラット35リノベの「技術基準」と同じと考えてよいでしょう。そうなるとやはりフラット35リノベの「中古住宅の維持保全に係る4つの措置のいずれか」を行い、金利を0.3%ではなく0.6%引下げる方が賢いと言えます。
