借り換えで使えるフラット35はどこ?ARUHIスーパーフラット、セゾン、住信SBIの比較

金利上昇に備えてフラット35等全期間固定金利への借り換えを検討する人が増えています。 ARUHI(アルヒ)スーパーフラット、セゾンや住信SBIのフラット35保証型は通常のフラット35(買取型)よりも金利が低く設定されています。今回はこれらフラット35のうち、借り換えに使うならどれがよいかを比較、検証し、借り換えの具体例をご紹介します。

ARUHIスーパーフラット、セゾン、住信SBIの借り換え金利比較

ARUHI(アルヒ)スーパーフラット、セゾンと住信SBIのフラット35保証型と一般的なフラット35(買取型)の借り換え用金利を比較すると次のようになっています。

アルヒスーパーフラット等の2022年10月、11月の金利
アルヒスーパーフラット等の2022年10月、11月の金利

アルヒスーパーフラットやセゾンでは、一般的なフラット35よりも金利は低くなっていますが、住信SBIの保証型はヤル気をなくしたように見えます。10月金利は買取型と同じ金利でしたし、11月は買取型よりも金利を高くしています。住信SBIが金利上昇を見込み、金利を固定するリスクを取りたくない(住信SBIから見ると金利上昇局面では固定金利を売りたくない)という意思の表れにも見えます。

なおフラット35買取型の金利上昇リスクは投資家が負う仕組みです(おおざっぱにいえば、フラット35を借りた人たちのローンを小口化して投資家に売ることで金利上昇リスクをローンを作った側が負わないようにするのがフラット35買取型の仕組み)。 融資手数料はセゾンフラット保証型、住信SBIフラット保証型では「融資額×2.2%」で同じです。ARUHIスーパーフラット借り換えの場合、通常は同じく融資額×2.2%ですが、WEB申込限定で「融資額×1.1%」となります。


ARUHI、セゾン、住信SBIフラットへの借り換え効果計算例

ここでは某ネット銀行Aで10年固定を借りた人の借り換え事例を考えます。

借り換え前、某ネット銀行10年固定の返済額計算

まず借り換え前の状況について整理します、2017年12月にネット銀行Aで10年固定を借りたとします(借入期間は35年、金額は4,500万円と仮定)。10年固定の金利については、当初10年は0.590%、11年目からの金利はその時にならないと分かりませんが、変動金利を選ぶ場合の金利優遇は▲0.8%になっていました。11年目からの基準金利は2.341%(A銀行のHPより)で、今と同じと仮定すると、適用金利は1.541%となります(2.341%-0.8%)。

2022年11月末に借り換えを行うとし、残高は3,923万円と仮定します。現時点の毎月返済額は118,612円、固定期間が終わった後は132,921円まで上がる見込みです(金利が今と同水準の場合)。残り30年1カ月の総返済額は4,564万円となります。

借り換え前の返済額
借り換え前の返済額

スーパーフラット、セゾン、住信SBIフラット、借り換え後の返済額計算

借り換えにかかる諸費用のうち、抵当権設定登記や抵当権抹消登記の登録免許税、その司法書士報酬等は合計で32万円と仮定します(抵当権設定登記の登録免許税は融資額の0.4%なので約15.7万円、抵当権抹消登記については数千円、司法書士報酬等は全部で15万円程度と仮定し、丸めて32万円と仮定しました)。

住信SBIとセゾンの場合、融資手数料は融資額×2.2%なので約86万円。「融資手数料+登記関連費用」118万円として借入額に上乗せするものとし4,041万円を借り入れることとします。借入期間は30年とします。一般的なフラット35買取型も手数料は融資額×2.2%とし、同様に借入額は4,041万円とします。

ARUHIスーパーフラットの手数料は他よりも安くなり融資額×1.1%にすることができます。この場合の融資手数料は約43万円。「融資手数料+登記関連費用」を75万円として借入額に上乗せするものとし3,998万円を借り入れることとします。借入期間は30年とします。

この条件で借り換え後の毎月返済額をまとめると次のようになります。借り換えは11月末に行うものとしているので2022年11月の金利で計算しています。

借り換え後の毎月返済額
借り換え後の毎月返済額

残り30年の総返済額と借入に含めなかったもの(経過利息やA銀行への全額繰上返済手数料など)を加えたトータルコストは下記のようになります。

借り換え後のトータルコスト
借り換え後のトータルコスト

この4つのフラット35の比較ではARUHI(アルヒ)スーパーフラットが有利という結果になりました。ARUHIスーパーフラット借り換えは金利が1.53%でセゾンよりも高いです。一方、融資手数料がセゾンよりも安くでき、借入額がその分小さくなることから、今回の事例ではアルヒスーパーフラット借り換えの方がメリットは大きいと言えます。借り換えで効果があるかどうかの計算はこのように諸費用を踏まえて考える必要があるというのは大事な成功ポイントになります。

借り換え前後の比較

借り換えでどれくらいメリットが出るのかを検証すると次のようになりました。

借り換え前後の比較(金利が今と変わらない場合)
借り換え前後の比較(金利が今と変わらない場合)

借り換え後の毎月返済額は今より2万円ほど上がってしまいます。ただし、2028年1月以降で比較すると5,600円ほどの上昇で収まります。総返済額(+諸費用)では、260万円ほど増えてしまいます。

ただし、借り換え前は10年固定→11年目から変動金利という前提で試算しており、当然金利上昇リスクがあります。借り換え後は全期間固定金利になるので金利上昇リスクはゼロになります。金利上昇リスクまで加味して比較すると次のようになります。

たとえば借り換え前のA銀行にて、固定期間が終わる2028年1月以降、金利が今より1%高くなっている(2.541%)と仮定すると毎月返済額は149,068円となり、この条件だと借り換え後は毎月返済額で1万円程度低くなり、総返済額(+諸費用)で200万円ほど得になる計算です。

借り換え前後の比較(金利が一定の上昇をする場合)
借り換え前後の比較(金利が一定の上昇をする場合)

金利が1%高くなる可能性がどれくらいあるのかは難しいですが、変動金利の店頭金利の過去40年ほどの平均値は今よりも1.5%程度高いのでそれを考えれば、可能性はゼロではないかもしれません。

なお、金利上昇リスクを取るべきかについての詳しい解説は今回省きますが、予測に基づくのではなく、家計がどれくらいリスクを取れるのかを軸に考えるべきと思います。

いずれにせよ、借り換えを検討する際は、金利上昇リスクについても考えてみる必要があります。一人では簡単には計算できないので、我々のような住宅ローンの専門家に相談してみると安心できるかもしれません。

まとめ:スーパーフラット、セゾン、住信SBIフラット、借り換えで得なのはアルヒ

今回はARUHI(アルヒ)スーパーフラット借換、セゾン、住信SBIの借り換え用フラットを比較しました。2022年11月に行った今回の計算例では、金利はセゾンが最も低いが、融資手数料が安くなる分アルヒスーパーフラット借換が最も有利であるという結果になっています。借り換えメリットを計算する際は諸費用を含めて考えるのが大事であるということが分かります。

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