じぶん銀行10年固定金利を借換で使うメリット、デメリット
じぶん銀行住宅ローンでは変動金利や10年固定金利等の金利が低くなっています。特に10年固定金利は、我々住宅ローンのプロの中ではある条件に当てはまる場合には重宝します。ただしじぶん銀行の10年固定金利には、一般の人が気づきにくい落とし穴もあります。今回はじぶん銀行の10年固定金利を借換で使うメリット、デメリットをまとめます。
じぶん銀行の10年固定金利
じぶん銀行の10年固定金利は0.59%(2017年11月)と他行と比べて低い金利になっています。そのため住宅ローンの借換では特に人気です。じぶん銀行の10年固定金利の基準金利(定価の金利)は2.57%で、そこから1.98%の金利優遇(値引き)があり、0.59%という金利になっています。
ただしこの0.59%という金利は「当初期間引下げプラン」での金利だという点には注意が必要です。「当初期間引下げプラン」は固定期間終了まで(10年固定の場合は最初の10年間、5年固定の場合は最初の5年間)は金利の優遇(値引き)が大きく、それ以降(10年固定の場合11年目以降)の金利優遇が小さくなるタイプです。じぶん銀行の当初期間引下げプランでは、11年目以降の金利引下げは0.8%と小さくなってしまいます。11年目以降変動金利を選ぶとし、その基準金利が今と同じだとすると2.341%ですが、2.341%から0.8%を引くと1.541%となってしまうのです。現在の変動金利は0.4~0.6%台が相場ですから、1.541%はかなり高い金利です(金利はすべて2017年11月時点)。
※なおじぶん銀行住宅ローンには「全期間引下げプラン」もあります。全期間引下げプランでは、金利の優遇が途中で変わることなく返済終了までずっと同じなのですが、全期間引下げプランの10年固定は1.57%(基準金2.57%から1%の金利優遇)ととても高く、使われるケースはほとんどありません。
じぶん銀行10年固定金利を選ぶ際には、金利優遇の条件には十分注意する必要があると言えます。
じぶん銀行10年固定金利を借換で使うメリット
では、ここからじぶん銀行10年固定金利を借換で使うメリットをまとめます。
- じぶん銀行10年固定の当初期間引下げタイプは残りの返済年数が短い借換では有利になることが多い
- じぶん銀行住宅ローン全般に言えることだががん50%団信がつく
我々住宅ローン借換のプロがじぶん銀行10年固定金利を使うのは残りの返済期間が短い場合です。例えば残りの返済期間が12年、残債2,000万円の人が借換をする場合を考えます。じぶん銀行とA銀行を比較します。A銀行の10年固定金利は0.8%です。これは全期間引下げタイプで基準金利2.65%から金利優遇1.85%を引いたものです。11年目以降は変動金利を選ぶとし金利は今と同じと仮定すると2.475%。全期間引下げタイプですからそこから1.85%を引け適用金利は0.625%となります(金利はすべて2017年11月時点)。
※金利はともに2017年11月時点
A銀行の10年固定金利も十分に低い金利水準なのですが、それよりもトータルコストで2万円削減できています。さらにがん50%団信が無料でついてきます(保険料が金利に含まれている)。このようにじぶん銀行10年固定金利は返済期間が短い住宅ローンの借換ではとても有力な借換候補となります。
じぶん銀行10年固定金利を借換で使うデメリット
では逆に、じぶん銀行10年固定金利を借換で使うデメリットを解説します。
- じぶん銀行10年固定の当初期間引下げタイプは残りの返済年数が長い借換では必ずしも有利にならない
じぶん銀行10年固定金利を借換で利用するデメリットは残りの返済年数が長い場合には総返済額で不利になるという点です。今の住宅ローンの残り返済期間が25年、残債が2,500万円残っている場合を考えてみましょう。上と同じA銀行と比較します。
※金利はともに2017年11月時点
今度はじぶん銀行よりもA銀行の方がトータルコストは65万円減っています。この場合、10年固定を選ぶならじぶん銀行ではなくA銀行の方が有利だということです(じぶん銀行はA銀行にはない「がん50%保障団信」が無料でついていますが)。このように返済年数が長くなる場合には必ずしもじぶん銀行が有利になるとは限らないので他行との比較も必須だと言えます。
まとめ
今回じぶん銀行を例に取り上げましたが、他の銀行の10年固定金利でも同様に金利優遇条件は必ず確認する必要があります。当初期間引下げタイプであるにも関わらず、全期間引下げタイプだと思いこんでいる人も多くいます。金利優遇条件は必ず細部まで確認し、それを他行と比較した上で住宅ローンを探すとよいでしょう。弊社では金利優遇条件等も加味してトータルコストで最もお得になる銀行をどう選ぶかのコンサルティングを行っています。ご興味ある方は下記バナーから弊社サイトをご覧いただければ幸いです。
※金利はすべて2017年11月時点のものです。最新の金利は各金融機関のWEBサイト等でご確認ください。
