住信SBIの2年固定、じぶん銀行変動金利のメリット、デメリット
金利0.2%台の住宅ローンは本当に得なのか?

住宅ローンでは近年、変動金利を中心に0.3%台のものが増えてきました。中には金利0.2%台の住宅ローンもあります。住信SBIの2年固定、じぶん銀行の変動金利等が金利0.2%台です。今回はこの2つの商品についてメリット、デメリットを解説し、金利0.2%台の住宅ローンは本当に得なのか具体的な例を挙げて検証します。

住信SBIの2年固定金利の特徴とは

0.2%台の住宅ローンの1つ目は、住信SBIネット銀行の対面型ローンの2年固定(当初引下げプラン)です。2022年10月の金利は0.28%となっています。「2年固定」というのは住宅ローンの借入期間のうち(たとえば35年のうち)、最初の2年間だけはその金利(例だと0.28%)がずっと変わらないという意味です。2年経過後(つまり3年目から)の金利はその時の金利状況によって決まります。「固定」と名がつきますが、ちょっと特殊な変動金利みたいなものと考えればよいでしょう。

なお住信SBIネット銀行には、ネット手続専用ローンと、対面型(各地のローンプラザにて相談、申込)ローンとがあります。「ネット専用」の方が金利は低いというのが一般的なイメージですが、住信SBIでは対面型の方が金利は低くなっています(住信SBIのネット専用2年固定は0.82%と、対面型0.28%の方がだいぶ低い)。

住信SBIの2年固定金利は0.2%台だが本当に得か?

住信SBIネット銀行対面型ローンの2年固定(当初引下げプラン)は、2022年10月時点では金利0.280%ととても低く感じます。では固定期間の2年が経過した後の金利はどれくらいになるのか?

住信SBIのホームページを見ると「特約期間終了後、変動金利に自動的に切替わり、変動金利の基準金利から年-2.135%、固定金利を選択する場合は該当特約期間の基準金利から年-1.20%」とあります。

2年経過後、何も手続きをしなければ、変動金利になり、その時の金利は基準金利から2.135%を引いたもの、ということです。変動金利の基準金利がいくらになるのか、はその時になってみないと分かりませんが、2022年現在は2.775%になります。仮に2年経過後も、この2.775%という基準金利が同じならば、実際の金利(適用金利)は、2.775%-2.135%=0.640%になります。2年経過後、2年固定や5年固定、10年固定と固定金利を選択することもできますが、その時はそれぞれの基準金利から1.2%を引きます。

さて、住信SBIの変動金利は通期引き下げプランだと0.390%(対面型)です。最初から変動金利だと0.39%。2年固定だと当初2年は0.28%でその後変動金利を選ぶとすると0.64%。どちらが得なのでしょうか。借入期間35年、3,000万円で比較すると次のようになります。

まず、変動金利0.390%の場合。比較のため金利はずっと変わらないものと仮定しています。

住信SBI変動金利の計算例
住信SBI変動金利の計算例(2022年10月金利)

次に、2年固定0.280%→変動0.640%の場合。同じく比較のため変動金利でも金利はずっと変わらないものと仮定しています。

住信SBI2年固定の計算例
住信SBI、2年固定の計算例(2022年10月金利)

両者を比較すると、普通に変動金利を選んだ方が総返済額では100万円得します。このように0.280%という金利は魅力的に見えますが、多くの人にとってはあまり賢い選択にはならない可能性があります。

じぶん銀行変動金利、0.1%の金利優遇の仕組み

じぶん銀行の変動金利も0.2%台。最安の場合0.289%になる場合があります。じぶん銀行の変動金利は本来0.389%です(2022年10月の金利)が、auモバイル優遇割で0.07%、じぶんでんき優遇割で0.03%低くなり、両方の優遇を合わせると0.1%低い0.289%になる仕組みです。

auモバイル優遇割は、住宅ローンとau回線をセットで契約すると受けられる優遇です。じぶん銀行口座に登録したau IDの回線がauの家族割プラスに加入し、かつ、その回線を含め、家族割プラスのカウント対象が2回線以上存在していること、が条件となります。ざっくりいえば、ローンを組む人の家族の2人以上がauの携帯であれば、じぶん銀行のローン金利が低くなるということです。元々がauユーザーであれば比較的ハードルは低いでしょう。

じぶんでんきはKDDIグループであるauエネルギー&ライフ株式会社が提供するでんきサービスで、このサービスに住宅ローンとセットで契約することで0.03%の金利優遇を受けられるのがじぶんでんき優遇割です。

じぶん銀行のメリットをPayPay銀行の比較で考える

さて以上をふまえて、じぶん銀行とPayPay銀行の変動金利を比較します。35年返済で、3,000万円借りる場合を考えます。

PayPay銀行(ジャパンネット銀行)の変動金利は0.380%(2022年10月)。35年返済で、3,000万円借りる場合の毎月返済額は76,295円(元利均等返済の場合)、総返済額は3,204万円です。

PayPay銀行とじぶん銀行の比較(2022年10月金利)

じぶん銀行では、まずauモバイル優遇割だけ加入した場合を考えます。金利は0.389%から0.07%を引いた0.319%となります(2022年10月)。この場合総返済額は3,171万円。PayPay銀行との差は33万円ほど。au以外の携帯を使っている場合、家族のうち2人が(多くの場合夫婦二人が、になるでしょう)、auに乗り換えて33万円のメリットがあるかの判断が必要になります。

じぶんでんきも契約し、両方の優遇割を受けると金利は0.289%。総返済額は3,155万円。PayPay銀行と比べると49万円の得になるということですが、auユーザーではない人が、携帯を2人分変更し、かつ、じぶんでんきを契約することが、49万円のメリットを生み出すかどうかの判断が必要になります。

元々auモバイル優遇割の条件を満たすauユーザーの場合、じぶんでんきを契約することで受けられるメリットは35年で16万円ほどとなる計算です。そのメリットがあるかどうかの判断が必要ということになります。

じぶん銀行の変動金利は確かに0.2%台ですが、それを実現するにはいくつかの条件をクリアしなければならないので、その分を具体的な数値に直して比較、検証する必要があります。

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