2017年11月に、新生銀行に新しい住宅ローンが誕生しました。ステップダウン型全期間固定金利というもので10年経過後、5年ごとに金利が下がる珍しい住宅ローンです。今回は、新生銀行ステップダウン型住宅ローンのメリット、デメリットを解説します。

新生銀行ステップダウン型住宅ローンとは

新生銀行ステップダウン型住宅ローンとは、ローン返済を開始して10年目以降、金利が徐々に下がっていく金利タイプです。具体的には10年経過後、5年毎に「元々の金利×10%」、金利が下がっていくように設計されたものです。金利種類は「全期間固定金利」タイプ(融資実行時点で返済完了までの金利が確定するタイプ)になります。

5年毎に10%ずつ下がる、といってもイメージが湧かないと思いますので具体的な数値で確認してみましょう。まず2017年11月の35年全期間固定金利1.90%になっています。10年経過後、5年毎に10%ずつ金利が下がっていく、というのを具体例で見ると下表のようになります。借入額は3,000万円と仮定します。
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このように、段々と金利が低くなり、毎月返済額も少しずつ小さくなります。金利を見ると35年固定であるのに最後の方は1.14%や0.95%ととても低い金利になります。これだけ見るとお得なように見えますが、残念ながら、1.9%という最初の金利は他の金融機関の全期間固定金利と比べてかなり高いです。2017年11月のフラット35の金利は団信込で1.37%ですが、この金利水準に近づくには20年の月日が必要です。金利は高い、と考えていいでしょう。
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※新生銀行のWEBサイトより

新生銀行ステップダウン型住宅ローンのデメリット

ではここから新生銀行ステップダウン型住宅ローンのメリット、デメリットをまとめます。まず、新生銀行ステップダウン金利型のデメリットをまとめると以下のようになります。

  1. 元々の金利が高いので、その後金利が下がっても総返済額で見るとマイナス面ばかり目立つ
  2. 新生銀行は融資手数料が安いのが特徴だが、ステップダウン型は手数料が少し高くなる

上で計算した、融資額3,000万円、35年返済の場合の総返済額、トータルコストをフラット35と比較してまとめます。フラット35はARUHIを利用すると仮定し融資事務手数料は1.08%と仮定します(ARUHIの場合は融資金額の1.08%の融資手数料がかかります)。

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※フラット35はARUHIのフラット35を想定しています。スーパーフラットではなく通常のフラット35にしています。フラット35Sの金利引き下げ等は考慮していません。

新生銀行の35年固定とARUHIのフラット35を比較すると、手数料等を含めたトータルコストではARUHIのフラット35の方が174万円安くなります。新生銀行の通常の住宅ローンは融資手数料54,000円、保証料0円と手数料、保証料の安さがメリットになります。しかしステップダウン型の手数料は162,000円と少し高めです。それでも他の金融機関と比べて低いのは事実なのですが、元々の金利が高い分、上記のようにトータルコストを比較すると他行と比べると不利になることが多いです。

※トータルコストとは、総返済額と手数料、保証料等をトータルした金額です。




新生銀行ステップダウン型住宅ローンのメリット

デメリットを解説したので次に、新生銀行ステップダウン型住宅ローンのメリットをまとめます。

  1. 新生銀行全般に言えることだが融資手数料が安く、保証料が不要

新生銀行全般に言えることですが、融資手数料が安く、保証料が不要、という点はメリットになります。今、手持ちの現金が少ない人が住宅ローンを組む場合には使いやすいということです。ただし、これも新生銀行全般に言えることですが金利自体は低くないのでトータルコストを計算すると他行に負けることが多いです。その中でも新生銀行ステップ型住宅ローンは最初の金利が特に高くなるのでメリットは見つけられません。新生銀行ステップダウン型と比較するとARUHIのフラット35等や他の銀行の全期間固定金利の方がメリットは大きいと言えるでしょう。




新生銀行自体は借換えの際に返済期間が延ばせる場合があるなど、ごく一部の人には重宝する金融機関なのですが、住宅ローンのプロから見て、今回の新商品、新生銀行のステップダウン型住宅ローンは今のところ、それほど使い道はないと考えています。今後の商品改善(金利低下)に期待したいところです。

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